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  • Qという名
  •  海野十三著の『金属人間』は「サイエンス」昭和22年12月号から昭和24年2月号まで連載された作品です。つまり戦後すぐに書かれた作品です。文章や文体から見ると「サイエンス」は小学低学年向けの雑誌のようです。ネットでちょっと調べてみましたが、どのような雑誌かよくわかりませんでした。横田順弥氏の著書などを見ればわかるかもしれません。戦後すぐに発売されていたということは、戦前の精神主義だけでなく科学的、合理的な思想も必要とされて発刊されていたのでしょうかね。

     海野はこの「サイエンス」誌に数多くの作品を発表しています。
     宇宙を舞台にした作品、宇宙からの侵略を描いた作品が多い印象のある海野ですけれども、戦前は第二次世界大戦に向かう時代のため宇宙=外国、宇宙人=外国人と想定して描いていたのかもしれません。しかし、戦争が終わって国内の事件を描きはじめたのでしょうか。

     この物語の冒頭は殺人事件から始まります。つまり推理小説仕立て。その犯人が金属人間というわけですけれども、この金属人間--ちょっと想像を越えた存在です。
     金属人間と聞くとやはり、江戸川乱歩の「青銅の魔人」「鉄人Q」や映画「鉄男」(塚本晋也監督)のような、人間が金属化したものを思い浮かべてしまいますけれども、海野の金属人間はその一歩先をいっています。
     そういえば、ここに登場する金属人間の名前も「Q」です。
     乱歩の「Q」は昭和33年から『小学四年生』に連載されたものですから、海野の方が早いですね。海野以前に「Q」を名称をつけた作家はいるのでしょうか? そんなことを考えたり、調べたりするのも古い作品を読む楽しみの一つです。



  • 2011年12月 6日 12:20 editors |  個別ページ | トラックバック(0)
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