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- 地球要塞について(2)/新兵器
- 「地球要塞」は昭和15年に書かれた近未来小説で、手塚治虫も愛読したいわばSF作品です。ここにはさまざまな〈空想科学〉が詰まっています。現代から見ても実現できていないものもあり、そういう観点から読んでもなかなか面白いのではないかと思います。
まずは、クロクロ島。これは潜水艦です。これは前回少し触れました。
冒頭ここで怪電波を受信します。けれども、その単位が「MC」と表示されています。現在では電波の単位は「ヘルツ」です。このヘルツになったのは1888年にドイツの科学者ヘルツが光の電磁波説を証明した事により、現在も使われています。物理の単位を調べましたが、MCはちょっと見あたりません。一般に「M」は「メガ」。とすると「C」でしょうか? 電荷の量でクーロンというのはあるようです。
そのクロクロ島は新動力=サイクロ・エンジンで動いています。
サイクロ・エンジンは「物質を壊して、物質の中に貯わえられている非常に大きなエネルギーを取り出し、これを利用する」と書かれていますから、原子力でしょうか?
次に出てくるのは「オルガ姫」。この名称でピンとくる人はなかなかの手塚通です。そうです「火の鳥-2772」に登場するオルガ。彼女の名前はこの「地球要塞」から採られているのです。
ここでのオルガ姫も人造人間。しかも、クロクロ島を建設した黒馬博士の秘書です。彼女の能力は素晴らしく高性能で、ひとりでなんでも出来るほど。むろん人造人間ですから、無駄口を叩きませんし、反抗もしません。まさに理想的な秘書です。もちろんこんなロボット=アンドロイド=人造人間は現在でも作れていません。オルガ姫の動力は書かれていませんけれども、サイクロ・エンジンなんでしょうかね。とすると、小型原子炉が発明されている事になりますね。
怪放送を受信した黒馬博士は「秘密中継送信機」でワシントンにいる部下と喋ります。クロクロ島が海底にいるとすればなかなかの技術です。それとも浮上して? この時点では海底30メートル程度ですから、浮上していたのかも知れません。しかもそれは真空管を使っています。トランジスタが発明されるのが1925(大正14)年ですけど、現在につながる形のものは1948年ですから、この作品が執筆された時点では一般的ではなかったのでしょう。さらに集積回路となるともっとのちのことです。
そのワシントンの秘密基地には「超溶解弾」なるものが設置されていて「臭く黄色い煙」がでたあと、人間を溶かしてしまうようです。使い方を誤ると危険ですね。
この作品世界ではテレビジョンは普通に使われているようです。日本でのテレビ放送は昭和28年ですけど、それ以前の昭和14年にはすでに実験が行われていたようです。
驚くべきは「魚雷型の高速潜水艇」です。なんと「四時間」で日本-ブラジル間を通行する事ができます。日本からブラジルの直線距離は、地球の円周の半分とすると赤道付近の円周は40,077キロメートルですから、約2万キロとします。すると時速5千キロ。これは早いです。
魚雷は現代でも200ノット(時速370km)くらいです。ちょっと早すぎますね。クロクロ島と同じサイクロ・エンジンを使ったとしても……。
「成層圏飛行機」「電子望遠鏡」「怪力線砲」「原子弾破壊機」「磁石砲」などまだまだありますけど、それぞれいったいどんなものか、現代とどう違うかなど検証してみてください。
- 2010年7月15日 12:48 editors | 個別ページ | トラックバック(0)
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