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  • 四次元漂流について(2)
  •  昭和21年頃にはSF小説というジャンルはありませんでした。どちらかといえば推理小説の一ジャンル扱いでした。SF作家の星新一も筒井康隆もデビュー作は江戸川乱歩主宰の『宝石』に載ったりしました。
     やがてSFは推理小説から独立して、一時期隆盛を極めました。本来は「空想科学」がSFだったのですけれども、SFが扱う範囲は広がりすぎて、なにがSFかわからなくなってきました。そもそもフィクションのほとんどは空想したものですから。

    「四次元漂流」も構成的には推理小説になっています。殺人が起こるかどうかはともかくとして、謎がありそれを解決する構造は読者の興味を惹く作りです。アイザック・アシモフの作品もそんな作品が多いです。ロボット・シリーズはほとんど殺人事件が起こりますし。
     ですから、この作品には探偵がでてきます。その名も蜂矢十六。最初の登場シーンは老浮浪者です。この探偵は「金属人間」にも登場します。海野十三で探偵といえば、シャーロック・ホームズをもじった帆村荘六が有名で、いくつかの作品に登場しますけれど蜂矢氏はこの二作品だけでしょうか。彼はウルトラジンの眼鏡をかけていると描写されています。ウルトラジンとは紫外線吸収材のこと。つまりUVカットのサングラスです。
     変装をしているのは怪人二十面相やルパン、ホームズの影響ですかね。乱歩の二十面相は1936年が初登場です。

     さて、「四次元漂流」の話。研究室近辺で雪子さんの幽霊らしきものが見え隠れします。道夫君は学校の先生にその幽霊について相談をしたところ、幽霊についての合理的説明を受けるのです。幽霊についての科学的合理的説明というのも、実は変な話ですけれども。
     道夫君と一緒に雪子嬢失踪事件の真相を調べていた川北先生も、失踪してしまいます。しかし、彼は数日後に発見されるも、錯乱状態。ここから蜂矢探偵の活躍が始まります。



  • 2010年4月 5日 10:51 editors |  個別ページ | トラックバック(0)
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