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- 四次元漂流について(1)
- 「四次元漂流」は『子供の科学』に昭和21年3月号から約一年に亘って連載された作品です。
冒頭、タイトルの意味がわからないだろうと書かれています。この時代、四次元という単語は一般に知られていなかったわけです。まぁ、もっとも現代でも四次元とは何かといわれて簡単に答える事はできません。三次元のひとつ上の次元ということ。「ドラえもん」のポケットが四次元ですから、言葉自体はわりと知られているでしょう。
この作品の目的の一つに「四次元」という言葉の説明も含まれています。昭和21年時点での四次元の説明を知るのもおもしろいかもしれません。
物語は、主人公である三田道夫くんの隣人の木見雪子さんが失踪した所から始まります。その雪子嬢は大学を卒業しているらしく、学士との尊称が名前の下につきます。大学を卒業すればもちろん誰でも学士になります。大学院を卒業すれば、修士か博士。
今の時代、少子化のため望めばたいていの人が大学進学は可能ですけれども、彼女は昭和21年時点で25歳。とすれば1921年生まれ、つまり大正10年生まれということになります。歌手の並木道子、俳優のジュディー・ガーランドと同じ生年。18歳で大学に進学したならば、その年は昭和14年。日本が戦争に向かっていく時代です。大学時代はずっと戦争中だったわけです。医学士と理学士のふたつの学士号を持ち、今なお研究しているとのことですから、この時代なかなか素晴らしい女性です。
その彼女が密室から忽然と消えてしまった。
死んでいれば密室殺人ですけれども、姿がないのです。現代の読者はここでタイトルと併せて「ははん」と思うでしょう。しかし、物語は彼女の失踪の方法について推理が展開されます。もちろん謎は簡単に解けず、捜査は中断されてしまい、道夫くんが独自で謎に挑みます。
そんなとき、雪子さんの研究室で宙に浮かんでいる女性の首を見かけるのです。
- 2010年3月29日 18:36 editors | 個別ページ | トラックバック(0)
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