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- アニメの殿堂の誤解
- ネットなどでもやや話題に上がっている「アニメの殿堂」。これは補正予算で政府がその設立を計画している「国立メディア芸術センター」を称して、鳩山民主党代表が「アニメの殿堂」「国立漫画図書館」と述べたことに端を発しています。漫画家の石坂啓さんも「つまらない」と反対意見がメディアに採りあげられています。
アニメに関してはどのような構想かはよくわかりませんけれども、マンガ部分については少々漏れ聞いていますので、少し補足してみましょう。
マンガ家の著作権問題で従来より問題視されていたのは「ブックオフに代表されるような新古書店」「レンタルブック」「マンガ喫茶」でした。
レンタルブックについては貸与権が著作権法に盛り込まれ、すでに施行されていることから、さしあたっては解決しているわけです。新古書店に関しては先日大手出版社等がブックオフの株式を取得したことで、良くも悪くも今後何らかの進展があると考えられます。残る問題はマンガ喫茶です。マンガ喫茶は著者に使用料を支払うことなく自由に閲覧させていますけれども、現在の状況ではなんら法的手段は執行できません。
これと同様のことを、例え公立であったとしても積極的に推奨するような働きかけを著者側からする訳がありません。つまり、メディア芸術センターを国立漫画図書館にするとの報道はまったく誤解に基づくものということです。
私が聞いている主たる目的は、散逸しつつあるマンガ原稿のアーカイブを行うというものです。
かつては、マンガは雑誌に一回きり掲載するものであって、読み捨てられる運命にありました。編集者も原稿を著者に返却することが義務づけられているわけではなく、捨てられたものも多数あったようです。そうでなくともマンガ家が亡くなったあと、遺族がいない人、遺族が原稿や著作権管理にに関心がないなど、マンガ原稿の保存に関しては危機的状況にあります。
そういった原稿をしっかりと保存していく場所、機関がいままでにありませんでした。
プロダクション組織で原稿や著作権を管理しているところはさておき、この計画は個人のマンガ家さんたちがまずは対象です。これは意味のないことでしょうか。
ただ、マンガ業界の事情に詳しい著作権をよく知っている管理者がいて欲しいと思います。お役人的管理者しかいないと運用していくと必ずトラブルに進展すること間違いナシです。
石坂さんがいうマンガ原稿を額に入れて展示することや、アーカイブされた原稿を閲覧できるようにするのは、二の次でしょう。現代マンガは本来複製物がメディアの形態であり、原画を鑑賞することを目的として描かれているわけではありません。展示を目的としてのみハコを造るのであれば、実につまらないと云えましょう。
- 2009年6月 1日 13:50 editors | 個別ページ | トラックバック(0)
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